金の使い方 - メディチ家

歴史にさほど関心のない人でも、メディチ家ルネサンス時代の大富豪であり、その名が芸術パトロンの代名詞として人口に膾炙していることは知っているだろう。

知りませんでした。

13世紀から数百年に渡りフィレンツェで活躍した、メディチ家の発展と衰退の歴史を追いながら、けた外れの財力と文化への親しみを持った君主のいるところに文化が栄える、いわゆる権力者によるパトロン活動(本書ではパトロネーゼと呼んでいます)のあり方について焦点を当てた本です。
面白いのは君主の性質により発展する文化が異なることです。華やかな文化が広まったり急に禁欲的な世の中になったり、錬金術へ系統した君主からは精密細工の文化が発展したりと、お金をかけた分野の文化が分かりやすく成長していく様が見えてきます。1冊の本を読みながら、数百年という長い時間の流れにおける文化の変遷を超圧縮映像を見ているかのように体験することができました。
ミケランジェロダヴィンチ、ボッティチェリラファエロ、多数の超絶に有名な芸術家がメディチ家とかかわっていたのかと思うと、すげー、という言葉しか出てこない。
この本を読むことで権力者の存在というものの価値の側面の一つが分かった気がします。
歴史を知ることでその国に親近感が湧きますね。逆に言えば、旅の前にその地について勉強することでその旅をより沢山楽しめそうな気がします。そういう意味では次に読むべき本は…
てか、歴史って面白いなあ。なんで学生の頃は興味を持てなかったんだろう…。

メディチ家 (講談社現代新書)

メディチ家 (講談社現代新書)