仕事とは、人と人の関わり


上巻読了。一つのOSを開発する、というシーンの中で、様々な立場の色んな人が出てくるんだけど、この本の作者はそういったたちの個性を短い文章で表現するのが上手いなあと思いました。

IBMのプログラマーOS/2で仕事をしているときに、OS/2がクラッシュした。その男はしばらく画面を見ていたが、「ひどいトラブルだ。自分のコードじゃなくてよかった」と言った。そのままパソコンを再起動して仕事に戻り、バグの報告すらしなかった。
これは、マイクロソフトではありえないことだ。他人の領域でも手を貸す。だれも強制をしないが、協力すれば気分がよくなる。

「完全に一人では、最高のものは書けないことが分かっていた。少なくとも、アイデアをぶつけることのできる人間が必要だ」

現実的な必要に迫られて、カトラーは心のそこから漸進主義を信じるようになっている。仕様書と設計がいくらしっかりしていても、コードは少しずつしか改良できないのが普通だ。修正は単調な作業なので、避けて通ろうとするものが多い。

闘うプログラマー 上巻

闘うプログラマー 上巻