SIGGRAPH 2007 その6 シーフード

最終日は余り期待していなかったけれど割と収穫が多かったです。

講座等

三角形のインデックスバッファのリオーダーについての発表。入力されたインデックスバッファから、頂点キャッシュになるべく載るようなインデックスバッファへの変換を、シンプルなコードで高速に行なうことができるみたい。Z-Cullを意識した質の良いメッシュも作りつつ高速に描画できるのだとか。すげえ。
プログラマブルカリングユニットという発表。プログラマブルパイプラインにプログラマブルカリングというフェーズが欲しいよね、これはこんなに簡単な機能追加で実装できるよね、描画シミュレートさせてみたらやっぱり高速化したよ、という話。こういう、新しい概念を考えたんだけれど既存の構造に収まらないから構造の方をなんとかしろ、という思考ができるのは日本人には無さそうだなあ。
BVH(Bounding Volume Hierarchy)の選択的再構築により、動的なシーンにおけるBVHの管理を劇的に高速化します、という発表。BVHていうのは要はAABBツリーの一般化用語だと思えば良し。シーンのオブジェクトが動くたびに全てのツリーを構築しなおすのはコストが高いから、必要なところだけを再構築する、という話。こういうコヒーレンシを活用した研究は私の好み。
Wave Particleという、非常にインチキながらも説得力のある波表現をローコストで実現する発表。これは、これは、これは非常にコロンブスの卵。高速でしかも安定する。あれは絶対に安定する。旨い!!すぐに使えそうだぞ、あれは。と、後で考えたけれど本当に高速に動くかどうかは怪しくて、それよりも水面メッシュの形状に依存せずに波のシミュレーションを行なえる点がポイントの様な気がしてきた。
EAの作ったキャラクタモーションのリアルなゲーム向き編集ツールの発表。ポイントは2つ。IKを工夫して非常にリアルな足元の動きを生成したのが1点。モーションやキャラクタ形状を記述するパラメータをツール上で編集できるようにして、アーティストに試行錯誤するチャンスを与えたのが1点。IKの工夫が何かというと、普通はIKとは足先が地面に埋まらない様に関節を曲げる、程度に使うのだが、本エンジンではキャラクタの移動時に足が地面と滑らないように地面に接着する、という点。まあそれ自体も今は珍しくない?(ワンダでもやってましたね)のだが、実際非常に生々しい方向転換のモーションを表現できていたのには感心した。

K田先生と再遭遇

お昼休みにK田先生とまた会いまして、お昼ご飯を一緒に食べに行きました。近況を色々話して、良い時間を過ごせたかも。

最終日恒例

レストランで部長におごってもらいました。生ガキ、ロブスター、蟹、クラムチャウダー、相当おなかいっぱい美味しいものを頂きました。ありがとうございます。