タバコを止められないのは意思が弱いからですか?

行動分析学入門 ―ヒトの行動の思いがけない理由 (集英社新書)

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(「タバコを止められないのは意思が弱いからだ」という主張にはおかしいところが2つある、と前置きがあり)
おかしい理由は2つある。 タバコを止められないことと、意志が弱いことが循環論に陥っていることが1つ。もう一つは、意志が弱いというのは、タバコを吸う原因ではなく、禁煙を決意したのにタバコを吸っていることを別の言葉で言い換えたのに過ぎないのである。

要するに、「意思が弱い」という言葉は、ある具体的な行動に対してつけられた「名前」や「ラベル」といってよい。これは「ラベリング」と呼ばれている。

分析系の学問というものは、諸現象に対して「なぜ起きるのか」、を正しく追求するものであると同時に、「どうやって起こすのか(起きないようにするのか)」の応用へとつなげていく事がとても重要です。冒頭に述べられていた、タバコを止められない原因を「意思が弱いから」としてしまうと、「どうやって意思を強くするのか(そしてタバコを止めるのか)」という問いが次にあがってくる事になりますよね。そしてここにクエスチョンが2つ。

  • 意思を強くする方法は見つけられるのか?
  • その問いそのものが妥当なのか?つまり、原因の定義を間違ってはいないか?

現在冒頭30ページまでしか読んでいない状態ですが、こんな感じで日常のもやもやに対してはっとさせられる指摘がなされて、ちょっと引き込まれそうです。お勧め…かも(まだ読みきっていないので)。