2007年を斬る: 「働く」って何だっけ?

高橋伸夫さんが書いた『虚妄の成果主義』でも引用されている有名な社会心理学の話があります。ユダヤ人の床屋の話です。ドイツの子供たちが、床屋に来ては石を投げてガラスを割る。困った床屋が知恵を絞った。ガラスを割って逃げようとする子供たちに、「よくやった」と言ってお金をあげた。ガラスを割ってお金をもらえるんだから、子供たちはまたガラスを割る。何回か繰り返した後に床屋の主人はピタッとお金をやるのをやめた。すると子供たちは、お金がもらえないなら面白くないというのでガラスを割らなくなったというのです。モチベーションのスイッチングが起こったんです。

このスイッチング効果ってものすごく大きい。今までメーカーの現場などでは、「カネのためにやってるんじゃないんだ」「俺はこの製品に命を懸けているんだ」と誇らしく言っていた社員が、成果主義が導入された途端に「こんなに安い給料でこき使われたんじゃ、やってられない」と言い出すという具合に、意識のスイッチングが起こっちゃったわけです。重大な落とし穴です。

この「落とし穴」って、経営者の立場に立っての落とし穴なんだけれど、労働者側にとって不幸な話でもあるんですよね。結果的に労働意欲が減退してしまうという。
他にもへー、ほー、うんうん、と、正直参考にしたいところが多すぎて、全然要約しきれていないので詳細はリンク先をどうぞ。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20061227/116261/