宣伝と期待と現実と

「すばらしい日々」

「この会社はハッカーの扱い方を心得ていて、居心地の良い職場環境を提供してくれています」
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0705/16/news009.html
という立派なお話があって、
http://www.nurs.or.jp/~ogochan/essay/archives/567
内情はそんなことないよ、特別扱いをされているのはあなた一人だけですよ!!という人がいて。私は真実は知らないので今度教えてください>某氏

企業がスター級選手を宣伝塔に使うのはアリだと思うのです。楽しく充実して必死に仕事してますよ、という話をするのです。そりゃそうだ。彼らはそれの為にインタビューを受けているわけだから。ただ、そこにあこがれて会社に入ったよ!!ていう人が、「あれ、なんか言ってるのと雰囲気違うよ。夢と希望はどこいったの?」てことになると余りハッピーなことじゃあないですよね。
CE(顧客期待値)に対するCS(顧客満足度)が低いとリピーターにはならないし、それが就職の場合なら人は離れていく。極端な話、企業の宣伝を100%信じて、現実がそれと1%でもずれてたといって文句を言う人がいた場合、そりゃ企業じゃなくてその人個人の問題だろ、と誰だって判断します。じゃあ、企業の語る理想と従業員の直面する現実がどれだけずれてたら「こんなはずじゃなかった!!」って言葉は重みを帯びるのかな。
前職では「研究をさせてあげるよ」という条件を聞いて「それなら行きます」という事で入社して、本当にそれが出来たし、すごく幸せだった。でも最初に聞いてた話で、全然現実とちゃうやん!!っていうものも確かに有った。それはお金の話*1。でも、お金と経験どちらのコインで給料をもらいますか、と言われたら、若いうちは経験だと思う。お金は後からついてくるさ。と自分を納得させて4年近くを過ごさせてもらった。それに辞めた一番大きな理由はここには書けないけれどお金じゃなかったしね。お金は大事なのは否定しないし大きく認めるところですが、それだけじゃなかったってことは信じて欲しいな(って誰に言ってる)。
といいつつ自分も前職では就職説明会用に研究職プログラマの一人としてキラキラした姿をビデオインタビューとか説明会会場でさらしちゃってたわけで。まああれは嘘をついているつもりは無くて、楽しい部分は本当にそうだったし、私自身が楽しそうに仕事をしているからこそそういうオファーが来たんだと思う。スター級では有り得ないから、多分精神面での評価。普段からぶつくさ会社の文句言っている人に「あなた、ちょっと学生向けの説明会で業務のアピールしてもらえませんか」なんて言わないよね?
ただ、私自身が感じる仕事への感触が社員平均と異なることは十分自覚していたつもりだから、馬鹿正直に話すなら説明会では「私は会社で楽しく仕事をしています」と言うべきところでした。でも「私は会社で楽しく仕事をしています」が会社側の期待する発言。私が実際どんなトーンで話せたのかはその場にいた方々の判断にお任せします。
去年の裏CEDECで「mtsさん、ビデオで見たし説明会で喋ってるの見ましたよ!!僕来年からそこで働くんです!!」と未来に目を輝かせた某人がやってきた職場に、もう、僕はいない。ごめん。でも君は頑張れよ!!

*1:絶対額はともかく、自分の希望よりは少なかった。