レシピを見ながら経営していませんか

企画力の下がった修士学生の話を端緒に、同じことを繰り返すことと、ビジョンを持って何かに挑戦することの違いを問うた記事です。

構想力とは、未来の完成品(成果)を論理的に予測する力である。
製品のマイナーチェンジについて結果を予測するのは比較的易しい。ゼロから設計した商品でも、他社のヒット商品を追従したのならば予測は簡単だろう。最も予測しにくいのは、まだ世の中に存在しない新しいコンセプトの商品を設計する時である。
大きな構想力は、新規性の高い商品の設計を重ねることによって養成される。マイナーチェンジのような設計を手がけているだけでは、何年繰り返しても、低い構想力しか育たない。下手をすると単に熟練するだけになってしまう。

研究開発の構想力を養うためには、ビジョンから始まる研究を心がけることが大切だ。ビジョンの多くは、現状で分からないことを分かるようにするか、または今はできないことを可能にするかのいずれかである。ビジョンを実現するためには必ず新しいコンセプトか、新しいモデルを創り出さなければならない。

既に存在する経営テクニックや利益モデルだけに頼っていると、思わぬ危険がいっぱいあるし、いつの間にか競争力を失ってしまうことも多い。他者を追従し、真似を繰り返す内に、小さな構想力しか持ち合わせない経営者になってしまうからだ

熟練することだけが企業の価値ではありません。新しい種をまかないとね。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20070109/116563/