ならばRAWだ - Adobe PhotoShop LightRoom買っちゃいました

デジタル一眼レフを筆頭に、割とハイエンドのコンパクトデジカメにもRAW画像撮影モードってのがあります。知ってますか?
RAW画像ってので写真を撮影すると、たとえばちょっと暗い目に映っちゃったこの写真を

こんな風に変えても劣化がほとんど起こりません。

RAW画像についてはググるといくらでも出てくるので詳しいことを知りたければ以下をどうぞ。
WikiPedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/RAW%E7%94%BB%E5%83%8F
ITmedia+D LifeStyle : 第61回 RAWデータとJPEGの関係 (1/4)
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0611/24/news023.html

RAW画像のポイントだと(個人的に)思っているのは、シャッタースピードや露光時間という物理的要因を除いたデジカメで行う撮影設定のほとんどが、あとから劣化なしに編集できてしまうってこと
例えば冒頭に示した2枚の写真。曇り空で写真を撮ると建物とかが暗くなることがあって、かといって建物に明るさを合わせると空が白飛びしてしまう、こんな経験は誰だってあると思います。こんなときに写真の暗い部分だけをぐぐっと持ち上げることが簡単にできちゃいます。今までだとちょっと出来が悪いし使えんなあと思っていた写真が、それなりに見られるものに変わるこの感動。ああ、オレの撮ったこの一枚は無駄じゃなかったんだ。
他にもわかりやすいのがホワイトバランス。曇り空なのに昼光設定で撮影してしまって妙に寒々しい絵ができてしまった事ってのはよくあることだと思います。こんな時にRAWで撮影していると、画質劣化なしにホワイトバランスをあとから変更できるのです。

上の写真がこんな風に。

もちろんraw画像を生かすためには現像する為のソフトウェアが必要です。長い前フリですが、ここからが本題です。
前々から気になってたRAW画像現像用ソフト、Adobe PhotoShop LightRoomをついに買ってしまいました。色々試してみたのですが、もう、目から鱗。今までの写真に対する概念ががらっと変わりました。
昔はデジカメの色調補正をするなんてなんてデジタルな!!、と思って敬遠していたわけなんですが、銀塩写真の世界でも写真というのは現像するまでのプロセスが写真なわけで、デジタルの世界でもそれをやっても別に構わないじゃないか、いやむしろ積極的にやっていこう、と思うようになってしまったわけです。
そこはもう、デジタルの世界ですから少々無茶な補正とかもかけられたりするけれど、それはそれってことで。たとえば最初の写真ですが、暗い所を明るくしたけれど雲の部分への影響は少なく、白飛びしていません。こんな風な処理も簡単にできてしまいます。
特定色域に対する操作も簡単で、たとえば紫の花を

こんな風に青く変えることだってすぐできちゃうのです。

ただのお遊びに見える機能ですが、例えば草木の色が綺麗に出なかったときに

こんな風に緑色の彩度だけを持ち上げることができるわけです(この例はちょっとやりすぎかも知れないけど)。

しかもこのLightRoom、とんでもなくUIが使いやすいのです。大体の写真は数クリックするだけで見違えるほど見た目が良くなります。操作履歴も残るし元ファイルには手を加えないのでいくらでも何度でも試せます。
jpg等普通の画像は8bit=256階調の色情報で、RAW画像は12bit=4096階調*1。通常なら切り捨てられてしまうこの4bitを残しておいて、家に帰ってから活用する、この概念が出てくるのはフィルム→写真のプロセスを知っている銀塩の世界の人にとっては当たり前なのかもしれないのだけれど、そこにデジタルならではの技術が融合することでとても面白い世界が開けるのだな、などと思った次第です。写真が今までよりもっと好きになったよ。

使いやすいとはいえマニアックなソフトであることには変わりないので、何か一冊でも本を買ってみることをお勧めします。私は「フォトショップLIGHTROOM RAW現像読本」という本を買いましたが、これを30分ほど眺めるだけで、大体のことができるようになりました。

フォトショップ LIGHTROOM RAW現像読本 (アスキームック)

フォトショップ LIGHTROOM RAW現像読本 (アスキームック)

Adobe PhotoShop LightRoomのサイト
http://www.adobe.com/jp/products/photoshoplightroom/

*1:高級機種は違いますしもうちょっと複雑な話もあるみたいなのだけど