間違ったハシゴを全力で登る

以前、とあるプロジェクトで聞いたことのあるお話です。同様の話はどこにでも転がっていそうな気がします。詳細は省きますが、そのプロジェクトでは開発期間の半分以上超えたところで根本的な仕様に手を加えることになったそうです。
と、ここだけ話を聞くと、クオリティの為に妥協しない良い話に聞こえるかも知れません。しかし、開発初期のテストプレイの段階で、散々その問題に関して外部から指摘されていたとしたらどうでしょうか。見直すタイミングは以前にあったのに、それを無視して開発を進めていたとしたら、その開発の進め方についてはどう思うでしょうか?
間違ったハシゴは、全力で登っても間違ったところにたどり着くだけです*1。「おい、なにか変な方向に向かっていないか?」「大丈夫さ、上に登っているんだから!」この会話に違和感を感じる人はいるはずなのに、残念ながらその開発現場で起きていたのはまるっきり正反対のことなのです。
集団における意思決定には慣性が働くものだし、周囲の不安に対抗できるだけの秘策がたまたま不発だっただけなのかもしれません。ただ、一般的に修正は、開発の初期であればあるほどコストは低いわけで、もっと早くからなんとかならなかったのかなあと外部の人間としては思うのでした。

*1:「7つの習慣」参照